水道管の種類(鋳鉄管)

本管

今回は、鋳鉄管についてご紹介していきます!

尚、ねずみ鋳鉄を原料とした”鋳鉄管”とダクタイル鋳鉄を原料とした”ダクタイル鋳鉄管”が、ありますがねずみ鋳鉄を原料とした鋳鉄管は、現在生産されておらず、今回は、ダイタイル鋳鉄を原料としたダクタイル鋳鉄管を鋳鉄管とし、紹介していきます!

そんな鋳鉄管ですが、普段皆さんが生活していく中で、なかなか目にする機会がない管種の一つではないでしょうか。どのような配管なのかを説明していきます!

鋳鉄管の概要

先ほど述べたように、原料はダクタイル鋳鉄となり、下記のような特徴があります。

  • 衝撃に強く、優れた強靭性
  • 強度が高く、耐用年数が長い
  • 重量が重く、コストが高い      等々

用途として、上水配管では、主に導水管・送水管・配水管等で使用され、農業用水や下水等でも利用されます。非常に多くの場所で使われていますが、普段私たちが目にすることは基本的になく、道路等の下に埋設されていることが多いです。

鋳鉄管も前回紹介した塩ビ管同様に、種類がたくさんありますので、こちらも紹介していきましょう!

通常埋設されている鋳鉄管ですが、橋にかかる配管(橋梁添架配管)として露出で配管される事があるので、機会があれば是非確認してみてください!ちなみにその場合は、耐候性を向上させる為、特殊な塗装を行う必要があります。

鋳鉄管の種類

鋳鉄管にも塩ビ管同様多くの種類があり、様々な用途で様々な配管が利用されております。

下記にざっくりとした特徴・用途等を紹介します!

接合形式呼径特徴用途
GX型75~400耐震管。大きな伸縮性と可とう性を持つ。
直管:プッシュオンタイプ
異形管:メカニカルタイプ
新しい継手構造により、施工性が大幅に向上。
外面塗装の耐食性向上により100年以上の長寿命が期待。
耐震性が求められる配管
NS-E型75~150耐震管。大きな伸縮性と可とう性を持つ。
直管:プッシュオンタイプ
異形管:メカニカルタイプ
新たな技術開発により、低コスト・軽量化を実現。
NS形に比べ軽量化され経済性・施工性に優れる。
耐震性が求められる配管
NS型75~1000耐震管。大きな伸縮性と可とう性を持つ。
小口径~中口径:プッシュオンタイプ
中口径~大口径:メカニカルタイプ
耐震性が求められる配管
S50型50耐震管。大きな伸縮性と可とう性を持つ。
メカニカルタイプ。
NS形・GX形等の耐震継手管と同等の高い耐震性を実現。
重量が軽く人力運搬が可能。
重機の入れない場所でも施工可能
耐震性が求められる配管
S型1100~2600耐震管。大きな伸縮性と可とう性を持つ。
メカニカルタイプ。
世界で最初に開発された耐震管で大口径にも対応可能。
耐震性が求められる配管
K型75~2600メカニカルタイプ。
ゴム輪を押輪とボルトで締め付けて接合する。
作業を迅速に行うことができる。
一般管路
大口径でも対応可能
T型75~2000プッシュオンタイプ。
受口の内面にゴム輪を装着、テーパ状の挿し口を挿入し接合
作業を迅速に行うことができる。
一般管路
直線部の多い管路
φ300以上は異形管無し

上記以外にも”US型”や”UF型”、”PN型”等様々な種類があります。

必要な場所に、必要な管種を配管するようにしましょう!!

鋳鉄管の管圧について

直管の管の厚みは、数種類有り、使用条件や用途において最適な管圧を選定する必要があります。

種類記号適用呼び径
1種管D1呼び径75~2600
2種管D2呼び径400~2600
3種管D3呼び径75~2600
4種管D4呼び径600~2600
5種管D5呼び径600~2600
S種管DS呼び径50(S50形管)
呼び径75~400(GX形管)
呼び径500~1000(NS形管)
P種管DP呼び径700~1500(PN形管(CP方式))

1種管は管厚が厚く、5種管になるにつれ厚みが薄くなります。

このような管厚の計算は、静水圧、水撃圧、土かぶりによる土圧および路面荷重による土
圧を全部同時に考慮して行われ、選定されます。

鋳鉄管の施工を行う際、溝切り加工をする場合があるのですが、その際管厚が厚い1種管である必要があります。管厚の薄い2種、3種管等では溝部の管厚(残肉)が薄くなり、S形、GX形、NS形の有している離脱防止性能を損なうことになります。

鋳鉄管の施工方法

上述したように様々な種類があり、それぞれ施工方法も異なります。大まかに分けて2種類の接合方法があります。それが、”プッシュオンタイプ”と”メカニカルタイプ”です。

  • プッシュオンタイプ・・・差し込みタイプ。挿し口を受け口に挿入することで接合。
  • メカニカルタイプ・・・ボルト締めタイプ。受け口と押輪等をボルトで締め付け接合。

また、それぞれの種類の施工方法については、「日本ダクタイル鉄管協会」様が、接合要領書及び接合ビデオを公開しております。私自身、どうやって配管するのか忘れたり、自信がなくなったりした際に、いつも接合ビデオを見て復習しています。ぜひ一度ご覧になってみてください。

最後に

今現在日本で新設されている配管の中でも、非常に割合の多い管種であるダクタイル鋳鉄管について今回説明しました。

様々な種類があり、施工方法も多岐に渡りますが、現場状況に合わせた管種を選定することで、最適な配管施工を行うことができます。なかなか一回で覚えることは難しいと思うので、何回も復習しながら覚えていきましょう!

次回は、ポリエチレン管について説明したいと思うので、宜しくお願い致します!

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